MACDとはMoving Average Convergence/Divergenceの略語で日本語に翻訳すると移動平均収束/発散でマックディーと呼ばれています。
アメリカの投資顧問会社のジェラルド・アペル氏が1970年代に発表した手法で世界の投資家に愛されている人気のオシレーターです。
3つのEMA(指数平滑移動平均線)を指定して計算しています。
MACDの欠点として短い期間に急騰・急落をすると反応が悪くなります。レンジ相場よりトレンド相場に強いオシレーターです。
MACDの使い方
MACDは2本の線とヒストグラムと中央のゼロラインで構成されていて、青色の線がMACD線でオレンジの線がシグナル線です。
MACD線は短期EMAと長期EMAの差で計算したものでシグナル線はMACDを移動平均した値です。
MACDのゴールデンクロスの確認方法
青色の円の場所ですがMACD線が下からシグナル線をクロスしてゴールデンクロスになっています。
MACDのデッドクロスの確認方法
黄色の円の位置でMACD線が上からシグナル線をクロスしてデットクロスになっています。
ヒストグラム
ヒストグラム(棒グラフが並んだもの)がシグナルの乖離率を表していて、ヒストグラムが高さが大きいほどMACD線とシグナル線との差が開いた状態です。色が薄くなっているのは前回よりも棒グラフの高さが低くなっているのを表しています。
ゼロラインとは
緑と赤のヒストグラムの中央がゼロラインで相場の強弱は中央のゼロラインの上か下かで判断します。
MACD線がゼロラインを上からクロスした時が短期EMAと長期EMAがデットクロスした状態です。
下からゼロラインをクロスした時には短期EMAと長期EMAがゴールデンクロスした状態になります。
チャート上の緑色の線が長期EMAで赤色の線が短期EMAでMACD線がゼロラインとクロスした時にチャート上でもEMAがクロスしています。
MACDの設定方法
マックディーの開発者のジェラルド・アペル氏(Gerald Appel)の設定
一般的な初期設定が短期EMAが12日、長期EMAが26日、MACDシグナルが9日になっていて中期のトレード向けの設定になります。
TradingViewの公式のMACDの値も同じになっています。
ジェラルド・アペル氏が推奨している短期と長期の設定もあります。
短期トレード向けの設定
短期EMAが6日、長期EMAが19日、MACDシグナルが9日です。
長期トレード向けの設定
短期EMAが19日、長期EMAが39日、MACDシグナルが9日です。
設定期間を短くするほど線がクロスが頻発して騙しも増えてきますので注意してください。
トレーダーのクリス・マニング氏の短期の設定
他の設定値でトレーダーのクリス・マニング氏が考えた短期の設定は短期EMAが9日、長期EMAが17日、MACDシグナルが7日です。
相場への反応が早くなる設定なのでスキャルピングでも使いやすいです。
トレーダーのジョー・ディナポリ氏の短期の設定
世界的に有名なトレーダーのジョー・ディナポリ氏が使用している設定は短期EMAが8日、長期EMAが17日、MACDシグナルが9日です。
ジョー・ディナポリ氏は短期トレード向けMACD設定の騙しを防ぐために先行移動平均線(DMA)との組み合わせでデメリットを補っています。
MACDの計算のSMA(単純移動平均線)とEMA(指数平滑移動平均線)の違い
MACDの設定はEMAの方が相場への反応が早いので基本設定になっていますが、SMAは相場への反応が遅いですが慎重に判断したいトレーダーはSMAを使用しています。
上記のチャートでは垂直線を引いた場所でシグナルが発生していますが、SMAの方が10分程度遅れて線がクロスした状態です。
ヒストグラムはEMAよりもSMAの方が山が大きくなって反応が少し違うので、利用する時間足によって設定を変更して使えそうですね。
MACDで勝率を上げるには?
底や天井付近で線がクロスした時を狙う
線が天井や底に近い位置でクロスした時が強く反発する可能性が高いです。
シグナル線で弱気の相場を確認
シグナル線はMACDを単純移動平均にしたもので、MACD線よりも上にある場合は相場が弱くなっている状態です。
打診買いでリスクを軽減する
ゴールデンクロスで打診買いをしてMACD線がゼロラインを越えてから追加でエントリーする方法もあります。
MACDのダイバージェンスでトレンドの転換を狙う
ダイバージェンス(逆行現象)とはオシレーターが機能していない状態で値動きと逆行している状態の事です。
他のオシレーターのRSIでもダイバージェンスは発生します。
MACD線が徐々に下がって状態で相場では上昇が続いている状態ですのでトレンドの終了が予測できます。
ヒストグラムでもダイバージェンスは発生しますので注意してください。
ダイバージェンスとMACD線ゼロライン抜けを組み合わせる
ダイバージェンスが発生している状態でMACD線のゴールデンクロスとゼロラインを抜けるのを確認してトレードすると勝率が高くなります。
青枠の部分のヒストグラムがダイバージェンスでMACD線もダイバージェンスです。
MACD線のゴールデンクロスになってゼロラインを抜けたあとは上昇が続いています。
MACDの計算式
下記の計算は短期EMAが12日、長期EMAが26日、MACDシグナルが9日を設定した場合です。
MACD線の計算
MACD線 = 12EMA(短期移動平均線) ー 26EMA(中~長期移動平均線)
シグナル線の計算
シグナル線 = MACD線の9EMA
ヒストグラムの計算
ヒストグラム = MACD線 - シグナル線
EMAの計算方法
8日で計算する場合の例
日付 | 終値 |
---|---|
9月1日 | 130 |
9月2日 | 132 |
9月3日(1日目) | 134 |
9月4日(2日目) | 133 |
. . . | . . . |
9月10日(8日目) | 134 |
平滑化定数を計算
$$α = {2\over n+1}$$
nが8日で計算なので8になります。
$$α = {2\over 8+1} = 0.25$$
平滑化定数は0.25になります。
平滑移動平均を計算
次は1日目から8日目までの計算をします。
1日目:計測を開始する日と過去2日の終値の合計を計算
134(1日目の終値)+ 132(9月2日の終値)+ 130(9月1日の終値)÷ 3 = 132
2日目:前日の移動平均値 + (平滑化定数 × 2日の終値 - 前日の移動平均値 )
132+ (0.25 × (133 - 132)) = 132.25
3日以降も同じように計算していきます。
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